今回は、2019年に上海の上海万博展覧館(SHANGHAI WORLD EXPO EXHIBITION&CONVENTION CENTER)で開催された、Slush Shanghaiについて紹介します。
フィンランド・ヘルシンキが発祥のイベントで世界最大級のテクノロジーに関する祭典。
新たなビジネスモデルの構築や市場の開拓、イノベーションを目指す最新テクノロジーが集まるイベントです。
詳細:Slush(英語)
2019年のSlush Shanghaiは9月25日~26日に行われました。
現在もそうですが、当時の中国は経済発展が著しかったです。
それを見に行くよい機会だと思い、上海行きのチケットをとりました。
会場内には
- AI
- 5G
- IoT
- クラウド
などの、現在最も伸びている分野の最新技術が集結していました。
その時の会場の様子や当時の最新テクノロジーを紹介していきます。
Slush Shanghaiの会場
上海万博展覧館(SHANGHAI WORLD EXPO EXHIBITION&CONVENTION CENTER)は、ツーリストエリアの南にある巨大なイベント会場です。
広範囲で繁華街や市街地、オフィスビルなどが広がる上海なので、電車でアクセス可能な位置にありました。
イベント会場の入り口。
このSlush Shanghaiは、チケットを事前予約して支払いしてからでないと中に入ることができません。
ここでチケットを提示し入場許可証をもらいました。
会場内は、広々とした敷地内に大小のブースが大量に並び、ところどころにはプレゼンテーション用のスペースが設けられています。
外国人も多かったですが、上海で開催されたイベントということもあり最新テクノロジーに興味を持つ中国人の参加者が多かったです。
若者の姿も多く、いま最も勢いのある国の熱量を感じました。
新しい技術を目の前にした若者の、希望に満ち溢れたフレッシュな空気感が素晴らしかったです。
最新技術を売り込むプレゼンテーション
会場に複数設けられているプレゼンやディベート用のスペース。
自社の製品を紹介するだけでなく、大手テクノロジー企業の代表者のプレゼンやディベートを聞くことができました。
中国を代表する、様々な分野の起業家や投資家が登壇。
どうしても中国語がメインになりますが、外国人の起業家も多く画期的なアイディアを紹介していました。
ヘルステックのコーナーでは多くの起業家がプレゼンテーションを行い、興味を持った投資家がそれぞれのプロジェクトに対してさらに深く掘り下げるというスタイル。
投資家の白人女性が、流暢な中国語を使いこなしていたのが印象的でした。
中国の中心には、もはや大量の人間が自転車に乗って移動をするというような昔の影はありません。
外国人投資家が多く集まる、魅力的な国に生まれ変わっています。
日本人が提供するジェトロブース
広々とした会場の一角に、JETROのブースがあったので足を踏み入れてみました。
ここでは、日本人の開発者が最新のQRコードを披露していました。
コンビニからスーパー、デパートなど、日本のマーケットで使われているのがバーコード。
情報を横並びに記録する一次元コードのバーコードに対して、縦と横の2方向から記録できる二次元コードがQRコードです。
QRコードの利点は、バーコードよりも大きなデータを記録することができるという点。
情報を横並びにするバーコードの状態では、情報を増やすためには桁数も増やさなければなりません。
しかし二次元に記録することによって、最大でバーコードの数百倍の情報を格納できます。
このジェトロのブースでは、従来のコード容量をはるかに上回るQRコードを披露。
大きな容量が必要な画像データを、QRコードに入れて読み込むという実演も見せてもらいました。
これが実用化されれば、さらに便利な世の中になりそうです。
Huaweiを筆頭に最新の技術を保有する中国は、すでに世界有数のテクノロジー先進国といってもおかしくはありません。
このジェトロブースにも、多くの中国人ゲストが興味深そうに最新技術を見に来ていました。
ビジネス特化型SNS【LinkedIn】
LinkedInは、シリコンバレー発祥の世界最大規模のビジネス特化型SNSです。
中国国内だけで3,000万人を超える登録者数を持ち、会場内にも大きなブースが設けられていました。
登録者だけで3,000万人ということなので、中国にはいかに転職意識の高い人材が多いのかというのがわかります。
国内のみの市場規模が世界でも群を抜いているため、国内で中国語のみを使っていても十分にビジネスが成り立ちます。
しかし、海外に興味を持つ若者も確実に増えてきています。
ブースでは、新規顧客の取り込みや新しいサービスの紹介をしていました。
近い将来、中国に進出する可能性がないわけではないので、一応いろんな話を聞いてきました。
2019年時点での最新技術
会場には小さなブースがいくつかあり、様々な最新テクノロジーを目の当たりにしました。
こちらは最新型のドローンです。
サッカーボールのような球型のケースに入れられたものなどが展示されていました。
グローバルな視点で見ると今後も発達していく分野なので、最新の技術にさらに期待が高まります。
ロボットは、もはや当たり前。
上海でのイベントだったためロボットが話す言語は中国語でしたが、声に反応して動いたり会話をしたりしていました。
なお、中国国内のホテルでは、すでに簡易的なロボットを導入しているところも少なくありません。
未来ものだと思っていた技術は、開発段階というわけではなく日常生活に溶け込む一歩手前まで来ているのです。
今回宿泊したホテルでは、このようなロボットが自走でエレベーターに乗り、目的のフロアで降りていきました。
ロボットが乗り込んだ瞬間には、もう目的階のボタンが押されていました。
このロボットはルームサービス用に使われており、宿泊客が部屋から注文した商品を体に入れて、客室の前まで届けます。
このようなIT技術導入の柔軟さは、日本も見習う部分が多いと感じます。
最新テクノロジーのイベントは面白い
Slush Shanghaiについて色々紹介してきましたが、何歳になっても最新技術に触れるとワクワクするということを実感しました。
さすがにドラえもんの道具のような技術はまだ先になりそうですが、今までなかった新しい技術が現実になったというだけでも興奮ものです。
また、今回のSlush Shanghaiでは中国という国そのものに秘められた潜在的な可能性を感じることができました。
パクり大国と呼ばれる時代を経て、実質的にはすでに世界有数のIT大国となった中国。
今後も、世界中の最新テクノロジーの1歩2歩先を行く革新的なアイディアと技術に注目していきます。