最先端のIT技術を躊躇することなく実生活に活かす中国。
街中には、そんな技術を利用したサービスが溢れており、軽く散歩するだけでも楽しいです。
今回は、2019年9月に私が中国・上海エリアを訪れた際に街中で出会ったIT技術を紹介。
具体的には、
- シェア自転車
- シェア自動車
- その他のシェアサービス
- ITロッカールーム
- 警察ロボット
を紹介していきます。
中国のシェア自転車
中国の街中を歩いていると視界によく入るのが、レンタル自転車置き場です。
日本でも観光地に行けばレンタルサイクルサービスはありますが、中国ではIT技術を使い、全てのサービスが無人で行われています。
最も多く目にするのが、こちらの自転車。
かつての中国は、人民の大半が自転車に乗っているというイメージがもたれていました。
一方で現在は、自転車と同じ交通ルールが適用される電動バイクが安価で購入できるため、自転車人口は一気に減少しています。
しかし
- ちょっとそこまで行きたい
- 旅行中でマイバイクがない
というような中国人は、気軽に利用できるシェア自転車を利用します。
使い方は非常に簡単。
自転車が横の機材に施錠されているので、専用のアプリなどでQRコードを読み取るだけです。
使い終わったら街のそこら中にある同じ会社の自転車置き場に返却すればいいので、使い勝手はかなり良さそうですね。
中国ではAlipayやWechat Payなどがないとサービスを受けられないものも多いですが、中には日本のアプリに対応しているシェア自転車もあるようです。
中国のシェア自動車
日本でも都心を中心にシェア自動車が普及しつつありますが、国単位で最新のテクノロジーを取り入れている中国では、日本よりも気軽にシェアカーリングが可能です。
例えばこの車。普通の街中の駐車場に止められていました。
中国にいると、こういった車を何台も目にします。
この車は、GoFunという会社のシェアカー。
GoFunとは、中国の80都市以上で事業を展開する中国では名の知れた大企業です。
取り扱っている車は、シンセンでは当たり前になっているEV車。
中国でも都心部から離れると普通にガソリン車が走っていますが、中国一のIT都市シンセンや、上海をはじめとする大都市ではEV車が多いです。
空気が汚くて空が曇っているというイメージの強い中国ですが、もう都市部ではそんなことはありません。
このGoFunは、中国では珍しく英語にも対応しているウェブサイトを持っており、外国人も気軽にカーシェアを行うことが可能。
アプリをダウンロードして登録、そしてこのQRコードを読み取れば車を借りることができます。
借りるときはもちろん、支払いもすべてオンラインで完結。
レンタカーで店員とやり取りをしたりといった作業が一切不要なのが魅力的です。
なお、EV車はガソリンではなく電気を利用して走っていますが、街中に配置されている充電ステーションで簡単に充電することができます。
こちらもシェア自動車同様、無人ですべて手続きが完了するので非常に楽です。
しかし、支払いは全てQRコードを介して行うため、ALIPAYなどの中国で利用できるアプリを登録しておかなければなりません。
その他のシェアサービス
自転車や自動車以外にも、中国には街中に様々なシェアサービスが溢れています。
しかも、どれも無人でITによる管理というのがすごい。
スマホの充電器シェアの機械。
中国に来てみると、子供も高齢者もほとんどの人がスマホでQRコードを読み取ってキャッシュレスで会計をします。
旅行者が現金を出すと、まずは本物かどうかを確認されます。外国人がめったに来ないようなローカルのお店だと、現金を保管している場所がどこかわからないから大慌てで探したり。というくらい現金が使われていません。
つまり、中国ではすでにキャッシュレスが当たり前のものとなっており、現金の代わりにスマホを使って決済を完了させるわけです。
裏を返せば、スマホの電源が切れてしまうと何もできなくなってしまいます。
そういうこともあって、街中にはシェア用のモバイルバッテリーがいたるところに設置されているのです。
こちらは、駅構内にあるシェア傘のレンタル。
突然の雨が降ってきたとしても、このサービスを利用すれば駅から家まで濡れずに帰ることができます。
晴れている出勤時に傘を持って行く必要もなくなります。
基本的には、全てのシェアサービスの決済がQRコードをベースに作られています。
現状では、外国人旅行者が気軽に使うには少々ハードルが高いですが、いつか気軽に使えるようになるかもしれません。
ハイテク宅配ボックス
日本にも駅にはコインロッカーがあり、共同住宅の1階にはポストが置かれています。
ポストがないと郵送物をスムーズに受け取ることができませんし、駅に設置してあるコインロッカーは非常に便利で重宝します。
もちろん、中国にもそれらのサービスは存在します。
しかし日本と大きく違う点は、それらにコインを入れるための穴も鍵穴もないということ。
代わりにモニターやカメラが設置されています。
ロッカーの利用者は、そのモニターやカメラを介し、QRコードを使ってロッカーを開けることになるのです。
横長の仕切りがたくさん並んでいるだけの大きなボックスで、アナログの国から来た人間には一見これが何を表すのかわかりません。
地元民がこの装置を使う瞬間を見て、初めてこれがロッカーだということが認識できる方もいるでしょう。
実際に使ったわけではないので推測でしかありませんが、QRコードが任意のロッカーの鍵になっています。
スマホに鍵となるQRコードを表示させ、カメラに読み取らせることによって、任意のロッカーが勝手に開きます。
鍵の代わりにQRコードでロッカーを開けるため、スマホを使うだけで気軽にロッカーを利用することが可能。
単純に物理的な鍵が不要というだけでなく、鍵となるQRコードをシェアすることによって、誰もがそのロッカーを開けることができるようになるのです。
例えば、これは住宅街に置かれたロッカー。
宅配便のスタッフがそれぞれの家を回るのではなく、このボックスに郵送物を入れ宅配先にQRコードをシェアすることで宅配は完了します。
受取人は、シェアされたコードでロッカーを開けて荷物を受け取ります。
また、他人にコードをシェアするだけで、代わりに荷物を受け取っておいてというようなこともできるのです。
このように、中国のロッカーではQRコードを駆使することで、利便性が従来の数倍になっているのです。
中国の警察ロボット
世界最先端のIT技術を持つ中国では、とうとう警察の代わりをするロボットが誕生しました。
もちろん、まだ開発段階で完全に機能しているというわけではないですが、ロボットの誕生によって、現場にいる警察の人数を減らすことが可能です。
24時間勤務が可能というのはもちろん、ボディーには様々なシステムが備わっています。
上部についたたくさんのカメラによって、360度周囲を見渡すことが可能。
当然、写真撮影から顔認識システムなども備わっており、容疑者や指名手配犯、またはいきなり発生した事件などの情報を警察に送信する機能も付いているとか。
まだ実験的に導入されている段階なので、この時には周囲には人間の警察官が複数人いました。
例えば、覆面を被った人間にいきなり攻撃を受けるなどした場合、恐らく現段階では対応することができないのではないかと考えられます。
交通整備をするロボットにおいては、システムエラーなどで道路の真ん中で動かなくなり、逆に交通の妨げになる可能性もあるでしょう。
しかし、これまでは人間しかできなかった業務を、24時間体制で代わりに行ってくれるため、中国での警察業務の効率化に大きな影響を及ぼしそうです。
様々なIT機器に慣れているはずの中国人でさえ警察ロボットは珍しいらしく、写真を撮る人が多かったです。
この10年、中国に行かれたことがない人は中国のことを未だに犯罪が多く、民度の低い人間だらけの国と思われているかもしれません。
しかし、現在は無数の防犯カメラによって、少なくとも気軽に犯罪を行えるような国ではなくなりました。
警察が最新のテクノロジーを導入したことで、今後はさらに安全性が増し、不慣れな外国人も安心して中国を訪れることができるようになるでしょう。
最新テクノロジーを気軽に体験できる中国
ITに力を入れており、しかも社会主義である中国は、よいと思った最新技術は瞬時に民間サービスに活用されます。
私は2019年10月以来、中国に行っていませんが、この間にも街中には新しいITが導入されていると思います。
少なくとも、日本の街中と比べると新しい技術が至る所にあるので、その辺を歩いているだけでも面白いと思います。