ベトナムでは、毎年2月くらいにテトと呼ばれる旧正月があり、1週間ほどの正月休みが設けられます。
私は2016年のテトの時期に、ブラッと地方都市に行こうと思い立ち、タイに住む友人のT君を誘いダラットを訪れました。
ダラットは避暑地として有名で、ベトナムの軽井沢のような場所だと聞いていました。
自然に囲まれた静かな環境でリラックスできそうだと思い、軽く旅行しようという感じで向かったのです。
しかし、実際に体験したダラット旅行は、思い描いていたものとは全く違うものに。。
最初に結論として、この旅で学んだことは以下の2点。
- テト期間中にはベトナムの地方都市や観光地に行くべきでない
- ホーチミンからダラットに行くなら飛行機がよい
今回は、訪れたダラットの観光地と、テトの時期にベトナムを旅行するとどうなるかを紹介していきます。
初日に受けたテトの洗礼
テト休暇は1週間あり、成り行き次第でダラットに4~6日間、滞在しようと思っていました。
そのためホテルやリターンチケットは押さえず、行きのバスチケットしか持っていませんでした。
ちなみに2021年3月現在、ホーチミンからダラットへのバスは250,000ドン(約1,200円)です。
ダラットはホーチミンからバスで約7時間の北東に位置しており、早朝7時にホーチミンを出発したバスは予定通り15時くらいにダラットに到着しました。
寝台バスですが、さすがに山道の7時間移動はかなり疲れます。
しかし、バスを降りると常夏のホーチミンとの温度差を感じ、ベトナムの軽井沢に来たんだなぁと実感しました。
とりあえず長旅の疲れを癒すため、近場のカフェに入りました。
そして、ここであることに気が付きます。
なんか人が多いな。。
ダラットは、確かに軽井沢のような高原にあって、涼しくて空気がきれいです。
しかし、思っていた以上に人であふれており、とてもリラックスできそうな雰囲気ではありません。
そして、さらに気が付きます。
テト休暇でベトナム人が帰省&旅行してるんだ!
まぁそれはしょうがないということで、Agodaで宿泊施設を検索しました。
しかし、空室のあるホテルが2,3軒しかなく、しかも料金が通常の数倍していました。
あ~テトだからか。。まぁ探せばゲストハウスくらいあるでしょ。
もちろんAgodaに登録していない宿泊施設はたくさんあるので、私たちは歩いて探すことに。
しかし、片っ端からホテルに突撃するも、どこも満室。。
エイジさん、ホテルないですね
・・・
エイジさん、渋滞ひどいしすごい人ですね
・・・・・
エイジさん、どこが最高のバカンスなんでしょうか
・・・・・・・
ダラットの中心地だけを見ると、ホーチミンに匹敵するほどの渋滞。
歩行者も多く、大きな荷物を持って歩くのは結構大変でした。
ちなみにT君には、
- ダラットはベトナムの軽井沢
- 自然が多くてリラックスできる
- 静かでのんびり滞在できる
などと適当なことを言っていた私。
彼は私のセールストークにつられ、わざわざタイのバンコクから来てくれていたのでした。
満室で断られ続けた後、このRuby Hotelだけがかろうじて1部屋空けてくれました。
ただ、テトなので価格が3~5倍ほど。。
1泊で200万ドン(1万円)ほどしたのを覚えています。。
テトなので道路も人通りもすごかったです。
レンタルしたバイクに乗り、街を散策した後、坂の上に景色の良いカフェを見つけたので入りました。
ご覧の通り、ここも混雑してました。
カフェからの夜景。
人が少なければ、リラックスできる高原リゾートに来たんだと実感できます。
なお、1日目のホテルがあまりにもコスパ最悪だったので、2日目の観光中に他のホテルを探し回り、何とかもう少し安いところに移動しました。
※nhacunhamoi.comと書いてあるようですがホテル名ではないです。
ダラットでの観光
私は地方に訪れたらバイクを借りることが多いのですが、このダラットでもバイクをレンタルして景色を楽しむことに。
郊外に行けば、中心と違って人も少なくなります。
バイクで登った山の上です。ベトナムの軽井沢ですね。
山の上からの街並み。
自然に囲まれた場所だということがわかります。
郊外はバイクでスムーズに走ることができましたが、中心に戻ると人が多くてうんざりしました。
スアンフーン湖
スアンフーン湖は、ダラットの街の中心にある大きな湖。
ダラットと言えばスアンフーン湖と言われるほどの有名な観光スポットで、地元の人たちにも愛されている憩いの場です。
周りにはオシャレなカフェやレストランが立ち並び、雰囲気の良い場所ですが、テトにより周辺の人だかりと交通量は特にひどかったです。
夜になると、対岸の夜景がきれいに反射して雰囲気の場所に変わります。
クレイジーハウス
クレイジーハウスは、ロシア・モスクワで建築を学んだベトナム人女性によって設計された建築物が並ぶテーマパーク。
ベトナム人だけでなく、年間10万人以上の外国人ツーリストが訪れる人気観光スポットです。
奇抜な建物が並ぶだけでなく、敷地内はまるで迷路のように入り組んでいます。
その他
すみません、肝心の写真は紛失してしまいましたが、全長2キロのロープウェイにも乗りました。
市街地とトゥイェンラム湖をつないでいるロープウェイで、こちらも多くのベトナム人で賑わっていました。
ロープウェイをおりたところにある竹林禅院というお寺にも行きました。
ロープウェイで市街地に戻ってきてからのディナー。
ベトナム風鉄板ステーキの味は結構印象的でした。
ちなみに店内の様子。
ここもほぼ満席です。
中心近くのローカル市場。
細い道の半分近くのスペースを使う上、バイクがどんどんくるためプチ渋滞中です。
観光面は充実しているダラット
これで人が少なければ間違いなく素晴らしい街なのですが、中心地や湖の周辺は大渋滞しており、軽井沢の雰囲気は皆無です。
ホテルも高原リゾートからは程遠く、街中にあるような普通の建物の1階部分。
部屋の中にいても面白くないですし、ホテルの外に出ると人混み&渋滞という環境でした。
いくらテトでガラガラなホーチミンといってもまだホーチミンのほうが楽しいじゃないですか。
私も全くの同意見で、もうこんなところには長居したくない!ということで、2日目の夜にはホーチミンに戻る決意をしました。
帰りも続くテトの影響
想像と全然違うダラットから離れようと、2日目の夜に航空チケットを探しました。
しかしすべて売り切れ。
仕方がないので3日目の早朝7時にチェックアウトしてバスターミナルに向かうも、出発は昼過ぎになるとのこと。
時間をつぶすとしてもカフェくらいしかないため、ホーチミンまでタクシーで帰る決断をしました。
ドライバーは、若くて気さくなお兄さん。
普通にいい人だし、お金がかかってもいいのでタクシーで帰ることにしました。
早く脱出したかったため、ホーチミンまで300万ドン(約1.5万円)払うと言って即交渉成立。
今から帰れば7時間くらいで帰れる。14時か15時くらいに到着かな。
と思っていたのですが、山中で突然ドカッという大きな音が鳴り響きます。
すぐに前の車が止まり、辺りは大渋滞となりました。
20メートルほど先にバスと人だかりが見えます。
何が起こったのかわからなかった私は車から降り、現場に近づきました。
そこには倒れたバイクと、すぐ横でぐったりしているドライバーらしきベトナム人男性がいました。
すぐにバイクが駆け付け、ぐったりしたドライバーは3人乗りの真ん中に挟まれて運ばれていきました。
これはバイクの運転手が運ばれていった後です。
ベトナム人同士の緊急時の助け合いはいつ見ても素早く、とても協力的です。
しかし、この事故によって大渋滞が起こり、完全にストップとなりました。
どうしようもないので、タクシーを降りて近場のレストランでしばし休憩。
そのレストランでは、T君が座るすぐ横で店員さんが鶏を絞めて血を抜いていました。
※衝撃画像なのでモザイクを入れています。
今日はチキン食べれないですね。。
そんなこんなで山道をくねくね移動し、ホーチミンに到着したのが17時頃。
早朝7時過ぎにダラットを出発したので、10時間くらいかかったことになります。。
ホーチミンのレタントン通り(日本人街)にやっと戻れた時には、感動のあまりタクシーのお兄さんに50万ドン(約2,500円)のチップを追加して払い、気持ちよく別れました。
空腹だったので、タクシーを降りたらそのままPizza 4P’sに行きました。
Pizza 4P’sとはベトナム人にも大人気の日系ピザ屋さんで、テト中にも営業していました。
オーナーの益子社長がいらっしゃり、テトの影響で散々な目にあった話をしたところワインをご馳走していただけました。感謝です。
テトのダラット旅行から学んだこと
冒頭でも述べましたが、この旅行で学んだことは
- テト期間中にはベトナムの地方都市や観光地に行くべきでない
- ホーチミンからダラットに行くなら飛行機がよい
の2点。
テト期間中のベトナム旅行
テト期間中は、ホーチミンやハノイといった大都市は、人がいなくなってスカスカになります。
それは、大都市の人々が地方都市に帰省したり旅行したりすることを意味し、逆に地方都市が人であふれます。
これはベトナムだけでなく、
- 中国
- 台湾
- 韓国
- シンガポール
などの中国旧正月文化の国は全て影響を受けます。
私はこのダラット旅行を経て、その後のテト休暇は旧正月の影響を受けないエリア(カンボジア、タイ、インドネシアなど)に行くようにしています。
また、日本の正月の旅行代金が高いのと同様に、この期間はフライト料金が高騰します。
他国に行く際にはテト期間に合わせてフライトをとるのではなく、テトの数日前~テトの1,2日後でチケットをとるのがおすすめです。
そうすれば、ほぼ通常料金で旅行することが可能です。
ホーチミンからのバス移動について
ホーチミンからダラット行きのバスは、思った以上に山道を移動しかなり疲れます。
寝台タイプのバスですし、7時間くらいどうってことないと思っていたのですが、かなり遠かったです。
私の経験上、ホーチミンからバスでの移動は、せいぜい
- ブンタウ(2時間)
- カントー(3.5時間)
- ファンティエット(5時間)
などが限界。
それ以上の時間バスに乗るのであれば、飛行機の方がいいでしょう。
ベトナム国内便はベトジェットやジェットスターなどの格安LCCがたくさん飛んでいます。
テト期間中のダラット旅行まとめ
ダラットでダラッとしようと思った旅行でしたが、テト旅行のため思うようにいきませんでした。
何も考えずに適当に行動した私のミスですが、ダラットはベトナム南部で人気の高い避暑地です。
実際に、観光自体はそれなりに楽しめました。
それでも、人が多いことが障害になる場面はいくつかあったため、次回は閑散期に行こうと思います。